やまた幼稚園

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2018/03/02

幼稚園と小学校の連携カリキュラム

2018年3月の園だよりをお伝えします。

巣立ちの時を迎えて

年長児の巣立ちの時期がやってきました。

入園・進級からもう1年が経つのかと、その早さには本当に驚かされます。そして、なんと立派に成長したのだろうと、感慨深くもなります。4月当初どの子にも見られた「らしくない」感じ、例えてみれば新しい上着がまだ身体に馴染んでいない状態から生じる坐りの悪さ、というものがすっかり消え、幼稚園児らしさや上級学年らしさをその身に湛えているようです。

子どもが置かれた立場での1年間の経験が、一人ひとりの子に大きく作用して、その年齢にふさわしい立ち居振る舞いというものがだんだんと身についていくのだろうと思わずにはいられません。

幼保小教育交流事業 卒園児との再会

先月の中旬、横浜市が実施している幼保小教育交流事業の都筑区の研修会に参加してきました。今年度は、長年続く山田小学校1年生との関わりとそこからの学びについて、当園の職員が発表を行いました。

この事業は、横浜市が30年以上も前から全国に先駆けて力を入れているものであり、幼稚園と小学校の学びの連続性が強く求められるようになった昨今では、非常に意義深く、かつ誇りを持ってアピールできるものであると言われています。都筑区では、認可保育園と幼稚園、そして小学校全80園校が地域毎に8つのブロックに分かれ、ブロック内で、時にはブロックを超えて、子どもたちの交流の機会を設け、教員同士も学び合う機会となっています。

児童が企画・運営をしている交流会は、3月に卒園した子たちが司会や挨拶を行っており、その立派な姿に毎年胸が熱くなります。

詩の群読や楽器の演奏あり、「重い」ランドセル体験あり、漢字や計算のドリルを見せてくれる時間ありと盛りだくさんの内容で、園児児童ともに頬を紅潮させて楽しんでいました。発表では、園児の心の中に小学生への憧れが芽生え、自分もあのように優しくいろいろなことをよく知っているお兄さん・お姉さんになっていくのだ、という自信が生まれたことや、入学を楽しみにするようになった園児たちの様子を報告しました。

1年生の表情や態度から、立派に務めを果たした自分への大きな自信が生まれているのを強く感じたのも、交流の一つの収穫でした。

幼小交流の大きな意義は、この「有能な学び手である自己像」を自らの内に作り上げていくことであり、私たち大人はこの学びの成果にもっと目を向けていかなければならないと思います。

幼稚園から小学校へ、学びの連続性を大切に

私たち保育者が小学校の先生に訴えていきたいのは、幼稚園児にはそれなりの経験の積み重ねがあり、自分のことは自分でできるという自信を持っていることです。小学校で始まる教科学習は、今までに積み上げたものを活かして更に広範囲に、そして高く、積み増していくことなのです。最近は幸いなことに、幼稚園での遊びを通した学びから、小学校における教科学習にスムーズに移行できるよう、幼稚園ではアプローチカリキュラム、小学校ではスタートカリキュラムを組み、子どもの学びの連続性を確保しようとする動きが始まっています。

それぞれの発達段階に合わせた学びや、いま持っている知識や経験を活かした学びにより、子どもたちの可能性がより広がっていくこと、そして子どもたちがその世界で守り、受けつぎ、育ててきた「子どもの文化」とでもいうべきものが尊重されることを願っています。

やまたのアイドル「キラキラスターズ」その後

ところで、やまた通信10月編集後記でお伝えした当園のアイドルグループ「キラキラスターズ」は今どうなっているでしょうか。あれからメンバーの増減を経て初代メンバーに戻り、マネージャーやアドバイザーの男児も付き、全員がそれぞれ固有の役割を果たしながら活動が続いています。彼らを見ていると、今まで身につけた能力や技術を生活や遊びの中で活かしていることや、学年、性別を超えて他児に影響を及ぼしていることがわかります。子どもの文化とはこういうものであり、単なる子どもの遊びと過小評価してしまうのではなく、大事に守り育てていきたいものであると思います。

<編集後記>新しい環境に飛び立っていく皆様へ

 卒園児のお母様は、4月からは「小学生の母」に立場が代わります。このことについて、心理学者の岡本夏木は『小学生になる前後』という著書で次のように述べています。

「幼稚園を卒園した子どもたちは、入学と同時に日本の教育制度に組み込まれ、国籍とともに学籍を持つことになる。好むと好まざるとにかかわらず、教育行政がもつさまざまな力にもろにさらされることになる。親個人の意志や力では直接に動かすことが困難な機構の中へ、わが子の生活が組み込まれてゆく。

学籍簿に登録されることによって、子どもがどういう力の下に置かれることになるのか、入学を機会に、お母さんも視野をひろげて、これからわが子が受けてゆく教育を成り立たせている社会的な背景についても考えていってほしいと願う。

子どもの日々の生活にあらわれてくる具体的な行動や出来事を見ながら、そこにあらわれてくる社会の動きを自分なりに感じ取っていただきたい。社会を考える材料には事欠かない。教科書を通して、自分の子どもたちが、今の教育によって、どっちの方に向かって進むことを求められているかを読み取るのも、むつかしいことではないかもしれない。

子どもの入学を機に、お母さんもより広い社会に目を向けてみること、それはまたわが子の将来の姿を考えてゆくのにも役立つだろう。」

小学校は幼稚園とはまた違う社会であり、小学校なりのルールがあって、親子共に今までとは違う生活が始まることでしょう。その経験が、親と子をまた成長させてくれることと思います。

新しい環境に飛び立っていく皆様へ、エールを込めて、私のはなむけの言葉といたします。

園長 栗原弥生

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