やまた幼稚園

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2017/09/02

学ぶことで実現されていくもの

2017年9月の園だよりをお伝えします。

今年の夏、東京は記録的な雨続きでしたが、皆さんは夏を満喫できましたでしょうか。

私はこの3年間、夏といえば玉川大学でのスクーリングに明け暮れていました。おかげで登録した単位を全て取得するのも間近となり、そろそろ学習も終わりを迎えようとしています。友達の多くも、卒業したり教員採用試験に合格したりと、切磋琢磨しながらそれぞれの目標を達成し、いろいろな場面で充実感を味わってきたことが思い出に残っています。

これから朝晩はだんだん涼しくなっていきますが、日中はまだまだ残暑が厳しく、休み明けは特に疲れも溜まりやすいものです。園でも休息と水分補給を行い、体調管理に気をつけて保育を行いますので、ご家庭でも降園後にゆっくり体を休めることができるようにご協力をお願いいたします。

「生涯学習概論」

さて、私がこの夏に履修した科目の中で一番印象深かったのが「生涯学習概論」です。生涯学習と聞いて、皆さんはどんなイメージを思い浮かべるでしょうか。せっせとテキストを読み、必死に勉強する姿であったり、「学習なんて、学校を卒業した私には関係ない」と思われたり、いろいろあるかと思います。でも、生涯学習というのは、学校での勉強だけに限らず、人を成長させるという営みとして、もっと幅広い作用や機能を指します。社会教育、幼児教育、家庭教育、個人学習、社会運動、ボランティア活動などの営みを全て包括した理念が生涯学習なのです。

日本における生涯学習は、1980年代半ばに当時の中曽根康弘首相のもと設置された臨時教育審議会での答申に端を発します。21世紀に向けた教育のあり方を検討したこの臨教審において、生涯学習体系への移行を主軸とした教育体系の再編や、国際化、情報化等変化への対応が話し合われました。

そもそも最初に生涯学習の理念を説いたのは、ユネスコの成人教育長を務めたラングランという人物です。社会の変化が加速度化している世界で、機敏性や柔軟性を身につけ、人生のステージや課題に即して次第次第に教育・学習し続ける必要がある、簡単に言ってしまえば、「続けてやろうよ、色々なことに首をつっこんでみようよ」と彼は言ったのです。

自分の生活をより快適に、豊かにするための学び

生涯学習の時間軸は継続性を持ち、空間軸は多様性を持ちます。図書館でも、公民館でも、誰かの家のリビングであっても、人々が集い、継続して一つのテーマに取り組むこと、それは立派な学習となります。このような集団学習では、先生はいてもいなくても良く、場面によって先生役は交代できます。考えてみてください。今はやりのズパゲッティ編みに、みんなでワイワイと教え合いながら取り組むのだって、生涯学習の一つなのです。

誰だって得意なこととそうでないことがある、自分は人とは違う特技、違う考えがあるということに気づくのが、大きな学びにつながるのです。社会の変化するスピードはますます早くなり、少し前に最先端と言われていたものがすぐに時代遅れとなって、次々と新しい技術や商品が登場しています。例えば、ウォークマンやポケベルの流行り廃り、携帯電話からスマートフォンの席巻などを思い浮かべることができます。一昔前まで、手のひらサイズのPCが登場するなどと誰が想像していたでしょうか。それが今や、60、70代の高齢者までもがスマホを持ち、ネットで買い物をし、SNSのやり取りを楽しむ時代になっているではありませんか。このように、私たちは常に新しい技術を取り入れ、自分の生活をより快適に、豊かにするための学びを続けているのです。

学ぶことにより実現されていく「学びの効用」

好きなことを楽しんで生きがいを感じられること、自分の存在を認めてもらえること、信頼できる友達や同僚がいることなど、これらは全て学ぶことにより実現されていく「学びの効用」です。

ユネスコが提唱する学びの4本柱の一つ、「Learning to be(人間として生きることを学ぶ)」とは、教育が心の旅路であり、その里程標は絶え間ない人間形成の過程である、と説明されています。いつでもどこでも、我々は学びを通して成長することが可能です。

そしてその成果を生かしてそれぞれが豊かな人生を送ることができるのです。

<編集後記>園長の生涯学習

夏の1日、即席バンドでの音楽活動を楽しんできました。玉川でお世話になっている先生が元ドラマーで、プロデビューするか大学院に進むか、というほどの腕前だったそうで、どんなレベルでも良いからみんなでセッションしようぜ、と有志がスタジオに集まったのです。

当日は、ピアニスト多忙により欠席、ベーシストも車の故障で不在、音の出るのがギターだけ、なぜかボーカルは10人もいて、私はタンバリンを持っている、という謎のバンドだったのですが、それぞれが希望の曲をリクエストして、生演奏でカラオケをするという贅沢な時間となりました。

途中でスローな曲(『翼をください』←合唱曲笑)になった時、ドラムの演奏をさせてもらいました。実は私、中学生の時は吹奏楽部でパーカッショニストだったのです。30年ぶりに触れるドラムは何とか形にはなったものの、自分のイメージと実際の音の差にやや苦笑。来年の夏は、もっと納得のできる演奏で『SWEET MEMORIES』に挑戦することを宣言して、今年のバンドは解散しました。他のメンバーも、1年かけてチェロを練習するとか、ピアノのコードを覚えるとか言って、とても盛り上がっています。こうやって楽しく何かに取り組むことが、すなわち生涯学習なのです。

園長 栗原弥生

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