やまた幼稚園

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2017/05/01

不思議の種から育つもの

2017年5月の園だよりをお伝えします。

学年それぞれの「自分」の確立

入園進級から1ヶ月が過ぎました。
年少児は、まず園生活に慣れ、楽しんで登園することを当面の目標にしていますが、毎日笑顔で登園してくる様子からは、「楽しんで~」という方の目標はもう達成できてしまったように感じています。

年中児や年長児がいそいそと年少児をお世話をする姿も板につき、子ども達の中には着実に、「お兄さんお 姉さんになった」という自覚が生まれていることがわかります。昨年まで年上の子にたくさん優しくしてもらって安心感を得、楽しい園生活を送ったという経験が、今度は自分たちがお兄さんお姉さんとして、小さい子たちをお世話してあげよう、という気持ちを育んでいるのです。

自分もいつかは、あのような素敵な存在になるんだ、という憧れを含めて、自分というものを確立している真っ只中にあるのだなぁと、子ども達の姿をとても眩しく感じています。

不思議の種から育つもの

先月は保護者説明会、個人面談に足を運んでいただき、ありがとうございました。
今年度の保育の方向としては、「自分で考え行動する」ということを基本に据え、そのためにどのような内容がふさわしいかを検討しながら進めていくという話をいたしました。その中でも年少と年中は、体験から学ぶ保育を進めていきたいと 考えています。

まだ生まれてから3,4年しか経っていない子ども達には、知らないことややってみたいことがたくさんあります。それは全て、子ども達にとっての不思議の種です。たくさんの不思議の種に出会って、なんだろうな、どうしてだろうなと考え、その不思議に自分から関わってみるという経験を積み重ねたい。なぜかというと、それが子ども達の成長にとって大きな意味を持つからです。

このような積み重ねがあって、子ども達のやる気や我慢強さ、自信、協調性が育つのです。この、やる気とか自信、協調性などというものは、数値で表せるものではありませんので、子どもの育ちを実感するのは難しいことかもしれません。

子どものそばでこのプロセスをたどる手助けを

特に、毎日接している我が子は、気づいたら大きくなっていて、いろいろなことができるようになっていて、でも親にとってそれは当たり前のことのように思えるのです。そのために、クラス毎のレターやポートフォリオで一人一人の小さな変化を保護者の方にお伝えし、お子さんの成長に気づいていただきたいと考えています。年長は自由保育をさらに充実させ、様々な場面で子ども主体の活動を取り入れていきます。大まかなテーマのみを設定し、取り組み方はそのクラス次第となりますが、他のクラスは何をしているかなと子どもたち同士が情報を共有することで、さらに良いものが出来上がっていく可能性もあるでしょう。

活動の中で、時に自己主張し時に折り合いをつける経験をし、協力することで一人ではできなかったことができるようになると知 ること、これが小学校以降の学びにつながっていきます。 大事なのは、先に答えを見せてしまうことではなくて、どうして上手くいかなかったのかな?上手く行った時には、どういう風にしたのが良かったのかな?と考えさせることです。失敗することもあるとは思いますが、失敗の経験も活かしながら、学びを深めていきますので、暖かく見守っていてください。
保育者は子どものそばで、このプロセスをたどる手助けをしたいと考えています。

また、家庭との連携に関しては、ご家庭でやったとしても園と効果は変わらないもの、ご家庭の方がより効果が高いものなどに関して、ご協力をお願いすることがあります。幼稚園でしかできないことに十分に取り組んでいきたいので、ご協力をよろしくお願いします。子どもの持つ可能性は、大人からどのような見方をされ、どのような期待を抱かれているかによって、広くも狭くもなると言われています。子どもの多様な可能性を信じて、園でも家庭でも色々なことにチャレンジしていきましょう。

<編集後記>親の先回りの危険性

先日、大人のための作文教室というものに参加してきました。
事前課題として「ドラえもんが日本の社会・教育に与えた影響について」という題で作文を書いたのですが、これが難しいのなんの、非常に手こずってしまいました。講師は私の作文を見て「大人が書く、つまらない文章ですね」とバッサリ。確かにそうです。ドラえもんについて調べて、それをまとめただけになっていましたから、その文章からは私の思いが感じられなかったのです。


作文というのは、個人の思いを表すもの、自己表現の手段であるにもかかわらず、「ここに栗原さんの体温を感じることはできません」と言われてしまいました。 確かに、大人になってからはレポートや小論文など、客観性が求められるものが大多数ですし、作文を通して赤 裸々な告白をするのもためらわれます。しかし、自分を表現することも大事なんですよ、との講師の言葉に、参加者一同は深くうなずいたのでした。


話によると、作文教室に通ってくるのは、親が教育熱心で、子どもは私立小学校に通いつつ中学受験を目指しており、週に8つも習い事をしているケースがあるのだそうです。生活の全てを親に仕切られて育ってきたため、「あなたの思いを書いてごらん」と言われても何も書けない子もいて、見ていて心が痛みます、とおっしゃいました。


親が先回りして、子どもの通る道を整えてしまうことの弊害と言えるでしょう。この子達に失敗は許されないし、「こうしたい!」という自分の意思が心に浮かぶことすらなかったのかもしれません。 仕事柄、文章のチェックが大変多いので、ここでの学びを仕事に活かすことができたら、と思って参加したのですが、それとは全く別の気づきを得て帰ることになっ た作文教室でした。

園長 栗原弥生

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