2019/07/27
音楽とは何か。
音楽がなくても、人は生きていくことができます。しかし、音楽が身近にあることで、精神的により充足したり、苦痛が和らいだりする経験をお持ちの方も多くいらっしゃるでしょう。
人間には、表現したいという欲求があります。その表現が洗練され様式化されたものが、音楽なのです。
楽器を演奏できると、表現の可能性や作品の理解は広がりと深みを持つようになります。作品に込められた喜怒哀楽や民族の歴史、風土というものも含めて味わい、時間や空間を超えて、作品との一体感を得ることができるのは、言葉では表現し難い感動体験と言えます。
幸福学研究の第一人者、慶應義塾大学大学院の前野隆司教授によると、音楽や芸術など美しいもの心に響くものを創っている人は幸せ、という幸福学の研究結果があるそうです。自分で創造する、あるいは創造する人が近くにいることが幸せにつながるのだ、現代社会には、芸術なんて本当にいるのかという議論もあるが、「美」だから要るのだ、と。
音楽には、人種、宗教、信条などあらゆるものを超えて人々を結びつけ、人間を幸福にする力があります。人間が、過去から何に美を見出し、その美を活かしてどう生きるか、それを私たちに教えてくれるのが、音楽なのだと思います。
園長 栗原弥生