やまた幼稚園

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2017/09/14

ケンブリッジ英検を導入する

英語のプログラムを導入するとき、試験のための英語教育はするまい、と思った。英語課のヘッドを務めるAtouiiも、採用のときに、試験で結果を出させることには、過去の勤務校での経験から辟易としていることを語っていた。子どもの成長過程を考慮に入れずに、近視眼的にテストの結果を出すために教育をすることは、テストの内容が教育の本質と乖離しているものであればあるほど、教育者にとっては虚しい行為になる。

しかし、時を経て、この9月からケンブリッジ英検を導入することにした。これには、いくつか理由がある。一つは、端的にいえば、「親達が気になることはやっぱり『ハードスキル』」だから。そして、「教育産業は子供を画一化して扱い、成績だけで判断することが、輝かしい未来に向かう唯一の道であると言わんばかりだ」(ロバータ・ミッシュニック・ゴリンコフ、キャシー・ハーシュ=パセック著 今井むつみ、市川力訳『科学が教える、子育て成功への道』2017年扶桑社)。同著は、ハードスキルは、時系列に沿って目で見て解りやすく、テストによって測定可能なものと説明し、学校でいえば、通知表の左側にあるようなもの。職場なら、プログラミングや機械操作、測定スキルなどが分類されるとしている。これと、コラボレーション、感情の調整、実行機能、適応力、自律性、コミュニケーション能力、創造力などなどをソフトスキルをとして対置させている。教育費を投じているのだから、目に見える結果が欲しい、という気持ちはわからないでもない。また、数多ある教育機関の中で、自分たちを選んでもらおうとした時に、世間一般に通じる尺度で教育成果を測定することが有用であることは否めない。

さて、何らかの形で効果測定をすることが避けられないならば、どのような尺度を用いるのが有用だろうか。英語の検定手法は様々だ。大学入試の変容もあり、それぞれの試験を実施する団体同士の規格競争も生じている。世間一般に通じる尺度、といったときの世間をどこに合わせるか、といったときに、日本というものさしで測るなら、英検、とか、TOEIC、がメジャーなのだろう。でも、ちょっと違うかもしれない。海外へ目を向けるなら、TOEFLやIELTSを受験する必要があるだろう。アメリカに留学するときに試験対策をしたのはTOEFLだった。また、何歳から取り組ませるか、という点では、試験自体が子どもにとって楽しいものであってほしいと思う。そんなことを考えながら、ケンブリッジ大学英語検定機構の担当者や試験実施者と話をして、ケンブリッジ国際児童英検を導入することにした。検定自体が、試験官役の先生と、子どもとの話のやり取りの中で進んでいくので、楽しめるだろうと思った。また、聞く、話す、読む、書くの4技能に早くからバランスよく取り組めるのも無理がないと思った。母国語の子どもが言葉を習得していく過程が、聞く、話す、読む、書くの順に進んでいくならば、検定も聞く、話すからすすんでいくのに無理がないし、実際にその順序でカリキュラムを組んでいるのだから、効果測定にも適している。
また、将来はケンブリッジ英検と親和性も高い。金融庁国際課勤めのとき、同僚から「勉強してCPEまで取りなよ。」と勧められ、一時期British Counsilに通ったことがあったのを思い出した(スミマセン。CPEは未だに取ってません。)。おそらく、ケンブリッジ英検でCPEやCAEに合格できるなら、他の試験で苦労することもないだろう。
敢えてネックをあげるなら、受検料だろうか。試験のプロセス自体に、試験官という人が介在するのだから、ペーパーベースの試験やコンピューターベースの試験よりは、どうしたってコストはかかるだろう。

Atouiiとも引きあわせて検討し、これならば、ということで、ケンブリッジ英検の導入に舵を切ることにした。初回は小学校3年生以上で、入門のレベルから導入し、徐々にステップアップしていくことにする。
成果をもって測ろうとしては、手段が目的になってしまう。私たちは、同著の言葉を借りるならば、ハードスキルとソフトスキルをバランスよく育てたいし、幼児期はソフトスキルに重きを置きたいのだ。Atouiiには、成果と過程、その両方にバランスに、今まで以上の目配りをお願いした。

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