あの人が考える教育とは?
01英語で話すことを求めない
栗原学園 谷澤理事長 栗原学園グループ理事長。 ミュージシャン エリック・ジェイコブセンさん 子供向け番組やコンサート実施など教育分野で活躍中。

20年以上に渡り、教育を楽しみながら学ぶエデュテイメント(教育エンターテイメント)の 世界で活躍されているエリック・ジェイコブセンさん。
ミュージシャンという肩書を持ちながらも、NHKの教育番組や英語による親子向けコンサートの開催など、 教育の分野で注目されている「できるヒト」。
今回は、やまた幼稚園でファミリーコンサートを終えたばかりのエリックさんに、
栗原学園 谷澤理事長が外国語を習得するヒケツを探っていきます。

01英語で話すことを求めない

谷澤
今日はやまた幼稚園にご来園いただき、ありがとうございます。
エリック
こちらこそ!最初に1つだけ聞いてもいい?
さっき控室にいるときにお互い英語で話していたんだけど、谷澤さんはどこで英語を勉強したの?
谷澤
基本的な勉強は日本でしましたけど、ニューヨークのコロンビア大学に1年だけ留学していました。
エリック
そうなんだ。
英語が上手でビックリしたよ。
でも、今の時代だと英語を話せるのは普通なことになっているけどね。
谷澤
そうですね。
栗原学園グループにも外国人の先生が9人いますけど、彼らには日本語を勉強して欲しいということをお願いしています。
日本語を教える資格を持っているスタッフがいるので、休み時間にはときどき先生たちに日本語を教えてもらっているんですよ。
日本語を勉強して、さまざまな文化に触れることで、日本のことをもっと深く理解することができると思うので。
ただ、日本人の奥様と結婚していても、家庭での会話が英語の場合はあまり日本語が上手くならないことが多いですね。
エリック
「日本語を習いたい!」「日本語で話したい!」という決心をしないと、なかなか難しいよね。
でも、日本で生活していれば段々と話せるようになるんじゃないかな。
谷澤
エリックさんは、家にいるとき日本語と英語のどちらで話すことが多いですか?
エリック
今は日本語も英語も半々ぐらいかな。
アヤコ(エリックさんの奥様)も普通に英語が話せるので、あまり考えずに両方使ってますね。
谷澤
それは理想的ですね。
子供たちが英語を勉強するときに、つい、お母さんやお父さんが「ほら、英語でしゃべりなさい」「英語でなんて言うの?」って言ってしまう。
だけど本当は相手によって、その時々のシチュエーションによって言葉を使い分けられるようになるといいなと思っています。
エリック
プレッシャーを与えると、逆に英語を嫌いになるケースもあるからね。
僕の子供が小さいときは、「英語でしゃべろうよ」とは言わないで、子供たちに対して100%英語で話しかけるというルールだけ決めていたよ。
谷澤
バイリンガルの家庭では、両親がそれぞれの母国語で話すというルールを徹底してることが多いですよね。
エリック
そう、それが一番良いと思うんだよね。
親である大人が母国語を忘れないことも大事だからね。
谷澤
栗原学園グループには、やまた幼稚園、やまた保育園、川崎のひよし保育園、東池袋のファンシャインアカデミーなどがありますが、日本語をすごく大切に考えています。
日本の良いところは大学教育まで日本語で受けられることで、他の国と比べてかなりアドバンテージ(優位)になっていると思います。
例えば、スウェーデンやノルウェーにも国立の大学はあるんだけど、将来的にはイギリスやドイツの大学に行かないといけないっていうことになる。
でも日本の場合は、日本の大学だけで大学教育が完結できるし、分野によっては大学院レベルの教育も日本で受けることができるのが、とても良いことだと思っています。
エリック
僕はアメリカの大学で日本語を専攻していたから、大学でもたくさん日本語を使っていたね。
谷澤
英語と日本語っていうのは、言語学的にかなり距離がありますよね。
英語に精通している人はフランス語やドイツ語を勉強しやすいけど、日本人が英語を勉強するのは音や文法的にも違うから大変。
エリックさんが日本語を勉強するのもかなり大変でしたか?
エリック
最初はとてもビックリしたね。
僕はノルウェーの3世なんだけど、おじいちゃん、おばあちゃんはみんなノルウェー生まれでアメリカに移民したんだ。
小さい頃は、よく家の中でノルウェー語を聞いていたよ。
高校ではスペイン語も勉強していたから、日本に来るときも「まぁ、なんとかなるでしょ」と思っていたんだ。
それが日本に来たら、「ちょっと待ってよ!」って思った。
あまりにも文法が違うし、こんなに言葉が違うんだってビックリしたよ。
泣きそうにもなったけど、日本語ばかりの環境にいたらけっこう早く覚えることができたね。

ミュージシャン エリック・ジェイコブセンさん

アメリカ·ニューヨーク州生まれ。マサチューセッツ州ウィリアムズタウンの豊かな自然の中で育ち、17歳で山梨県に交換留学生として1 年間在籍。その後、コロラド州立大学にて日本語学と日本文学を専攻する。
20年以上にわたりエデュテインメント(= 教育エンターテイメント)の世界を中心にTV 番組、子供英語教材(CD/DVD など)などへ向けて多くの曲を送りだし、作詞作曲活動、TV 番組出演、番組制作、コマーシャル、英語教材開発など多岐にわたる活動をしている。 NHKの教育番組には1998年~2017年まで19年に渡って出演。今も日本各地に出向いて子ども向けコンサートを実施、英語の自然なリズムを生かした曲作り、言葉を巧みにあやつる詩的センスには子どもやお母さん、お父さんを中心に多くのファンをもつ。