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2018/12/19

ポピーの花に託された思い

11月11日、知人の誘いで保土ヶ谷にある英連邦戦死者墓地での戦没者追悼記念日式典に参加してきました。今年は1918年11月11日に第一次世界大戦が終結してからちょうど100年の節目にあたります。

この墓地は、第二次世界大戦後にイギリス連邦加盟国(イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、インド、パキスタンなど)の戦死者専用墓地として設けられ、2014年時点で約1,800人が葬られています。

年間を通し、大戦およびその後の紛争での戦没者を追悼するために様々なセレモニーが執り行われていますが、毎年11月11日は英連邦各国大使館主催により、第一次世界大戦での戦死者の冥福を祈る式典が行われています。

式では、主催国(今年はニュージーランド)大使の挨拶、聖公会、ヒンズー教、イスラム教、仏教の聖職者によるスピーチ、この大戦に従軍して亡くなったカナダの詩人ジョン・マクレーの詩「フランダースの野に」の朗読などののち、11時00分から2分間の黙祷を捧げ、英連邦加盟各国および日本人有志により赤いポピーのリースが献花されます。これは、マクレーの詩にちなんで赤いポピーが戦没者の象徴とされていることによります。この戦争で最も過酷な状況だったと言われるフランドル戦線にて、戦いのあとに驚くほどのポピーの花が咲いたのだそうです。

関係国要人の来日の際はしばしばこの墓地への訪問があり、近年では2015年にウィリアム王子が訪れています。

鳥のさえずりしか聞こえてこない静かで穏やかな空間。その足下には、20代前半という若さにもかかわらず異国で命を落としたたくさんの若者が眠っています。おそらく、この墓地の美しく整えられた空間は、70年以上前に墓碑が設置された時から変わっておらず、色々な方々の思いを包み込んだまま、今後何百年も変わらずに保たれていくのでしょう。

式典に参加したことにより、今まで知らなかった世界を垣間見たような気がしたと同時に、これを一度きりの異文化体験として終わらせるのではなく、この祈りをより広く、継続的につないでいくことの大切さを感じました。

世界の平和を願う者として、私たちには戦争の記憶をのちの代まで語り継いでいくという使命があります。たとえ戦争経験者が一人もいなくなったとしても、幾久しくこの追悼を続けていくことが、あとに残された我々の責任なのでしょうし、平和への道のりの第一歩につながるのではないかと思います。

ジョン・マクレーの「フランダースの野に」を以下に紹介します。カナダ人が書いた詩の中で、最も有名なものと言われています。公式な日本語訳がないので、原文のままとなりますことをご了承ください。

 

“In Flanders Fields” by John McCrae

 

In Flanders fields the poppies blow

Between the crosses, row on row,

That mark our place; and in the sky

The larks, still bravely singing, fly

Scarce heard amid the guns below.

 

We are the Dead. Short days ago

We lived, felt dawn, saw sunset glow,

Loved and were loved, and now we lie,

In Flanders fields.

 

Take up our quarrel with the foe:

To you from failing hands we throw

The torch; be yours to hold it high.

If ye break faith with us who die

We shall not sleep, though poppies grow

In Flanders fields.

園長 栗原弥生

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