やまた幼稚園

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園だより

2018/12/05

有能な学習者としての子どもを育てる

2017年3月の園だより特別号をお伝えします。

早いもので、平成28年度は本日で修了となります。4月と比べると、どのお子さんも大きな変化を感じることができるでしょう。そのダイナミックな成長をそばで見られるのが、幼児に関わる仕事の醍醐味かもしれません。

毎年2月から3月にかけて、私たちには、子ども一人一人の1年間の成長の記録を確認するという大切な仕事があります。

年少児に多いのは、家庭という閉じられた小さな人間関係しか知らなかった子が、幼稚園という初めて出会う社会において、人との付き合い方を学んでいく姿です。自分の思いを察してくれる親はそこにはおらず、どうやって相手に気持ちを伝えたら良いのかわからずに、ある子は涙し、またある子は叩くなど力に訴えることで、なんとか思いを通そうとします。「あら?今ではすっかりお兄さん(お姉さん)だけど、慣れるまでは結構な時間がかかっていたのね」と、4、5月の記録を読んでびっくりする子も多くいます。そのような様々な姿を見せる子どもたちに対し、保育者は常に寄り添い、お互いの気持ちを代弁したり、励ましたり、スキンシップや見守りを続けたりなど、様々な方法で関わり続け、だからこそ今の姿があるのです。

年中児は、園生活やお友達関係には大きな課題はないのだけれども、子どもの中に確固とした自信がなく、新しいことになかなかチャレンジできない様子がよく見られます。やってみたいけど、できないかもしれない、失敗したらどうしよう・・・という不安もあるのでしょう。そのような子も、クラス全員で取り組んでみることで一歩を踏み出すことができたり、発表会など長期にわたる取り組みの過程で、新しい楽しさに気づいたりして、自分の殻を破り始めます。保育者の役割は、子ども一人一人の現段階の発達を理解し、その子にふさわしいモノやコト、場を用意することにありますが、記録からそのような役割を実践している姿を見て取ることができます。

今年度からはそれに加えて、月々のポートフォリオでも、子どもたちの様子を知る機会が増えました。ポートフォリオは子どもの「学びや育ちの過程」を記録し、今を生きる子どもの学びと育ちを「見える化」したものです。今、どんなことに興味を持っているか、どんな課題を抱えているか、どんな気づきや学びがあったのか、ということを探り、次の活動につなげるためのものです。やまた幼稚園は、単に幼児が楽しい時間を過ごすための”場所”ではありません。専門性を持った保育者が、子どもが経験していることを丁寧に意味づけ、必要な援助や環境構成をして成長を支えている教育機関でありたいと思っています。

自分で考え行動する子を育成するには、自分は有能な学び手であるという自己感覚や自己意識を持たせることが必要です。努力して、熱中して、時には失敗も経験しながら様々なことを学び、自分は困難を解決できる人間であるという実感と意欲、仲間とともに責任ある行動ができる人間であるという経験と確信、自分も素敵なお兄さんお姉さんになれるという憧れ、そういったものを全て含み込んで自己像を作り上げてくことが学びの成果なのです。来年度も子どもたちにそのような学びをたくさん味わってもらえるようにしたいと思っています。

明日からは春休みです。怪我や事故のないように十分注意してお過ごしください。子どもたちが安心して進級できますように、ご配慮をお願いいたします。

最後になりましたが、保護者の皆様には今年度も様々な場面でご理解とご協力をいただきましたことに心より感謝いたします。来年度もどうぞよろしくお願いいたします。

園長 栗原弥生

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