やまた幼稚園

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園だより

2018/12/05

読書の楽しみ

2016年12月の園だよりをお伝えします。

寒さが一段と増し、登園時の出迎えも厳しい季節になりました。それでも、ドウダンツツジの真っ赤な色は、寒さを忘れさせてくれるような美しさです。新緑、花期、紅葉と見時の多い本当に美しい樹木だと思います。

さて幼稚園では発表会を来週末に控え、子ども達の活動も大詰めを迎えました。年少、年中、年長と成長していく様子を通しで見ていただけるのではないかと、職員も楽しみにしております。表現することの楽しさや喜びを知った輝きに溢れる姿を、どうぞご覧になってください。

年中少の発表会の取り組みは、絵本を題材にして作り上げています。一つの絵本を何度も味わい、その世界に浸り、想像力を働かせながら物語を表現するという活動です。じっくりと繰り返し読むことで、初めはわからなかった面白さに気づく、面白いと思うところが変わってくる、という体験をすることがあります。また、自分の生活と絵本の世界が、ある瞬間に繋がる喜びを感じることもあります。絵本の楽しみ方は自由なので、他の人の迷惑にならないことであれば、どのように楽しもうと誰にも文句は言われないし、どこまでも空想の世界を広げていくことができるのです。

一冊の絵本の受け止め方は子どもによって多様で、大喜びする子もいれば面白くなかったと言う子もいます。好みは人それぞれであり、だからこそ親や担任の嗜好に囚われず、できるだけたくさんの本と出会って欲しいという願いもあり、クラス内で順番に絵本を貸し出したりもしています。

紙媒体の出版物の全体的な売上げ額が下降している中で、児童書だけがこの10年で唯一、売上・シェア共に増加しているという喜ばしいデータがあります。背景には、新人作家の活躍、プレゼント需要、新規版元の参入など様々な要因があるとみられていて、注目すべき動きです。また、小中学校での「朝の読書活動」が浸透し、読書習慣が広まっている兆しもあります。何れも、子どもが本に触れる機会を増やすことに寄与しているのであれば嬉しいことです。

私は最近、娘と同じ児童書を読んでいるのですが、「子どもの時に出会いたかったなぁ」と悔やむような物語がたくさんあります。そして大人も自分のためにもっと絵本や物語を読んで良いのではないかと感じています。なぜなら、そこには夢や希望、幸福など、読み手の年代にかかわらず共有できる事柄が非常に多く描かれていると思うからです。

この夏に刊行された猪熊葉子さんの『大人に贈る子どもの文学』という本は、大人が子どもの本を読むことの意味について、主に英国児童文学を題材にして筆者の解釈を含めながら説いている書物です。不安に満ちた時代にこそ、幸せを描く物語が必要であること、子どもの本を読むとは人生を見つめ直すことにつながるということなど、なるほどと共感する部分がたくさんあります。そして、筆者の言う「肯定的な人生の可能性」に力をもらえると言う事実は、いつ巡り合ったとしても変わらないことだと実感しています。静かな冬の夜、お子さんと長編やシリーズ物に取り組んでみるのも良いのではないでしょうか。

さて、絵本を題材にしている発表会の活動は、子どもが興味・関心を持っていることを教師がキャッチし、子どもとの対話から展開していくというアプローチを取っています。先月の園だよりでお伝えしたプロジェクト活動がベースになっていると言って良いでしょう。どういう方向に向かって、どんなことをするか、子どもと大人が共に考えながら一つのことに取り組んでいます。その成果をご覧いただくのももう間もなくです。どんな過程があり、そこで子ども達がどのように成長したかということについては、当日のナレーションやメイキングビデオなどからご想像いただきたいと思います。

園長 栗原弥生

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